「売った方がいいのか、貸した方がいいのか」——代々木エリアでマンションを所有している方からよく受ける相談です。答えは状況によって変わりますが、現場で見ていると「貸す」を選んで後悔するケースの方が圧倒的に多い。その理由を正直にお伝えします。
まず「貸す」の現実を知っておく
「売るのはもったいない気がする」「賃料収入があれば老後の足しになる」——貸す方向に気持ちが傾く理由はわかります。ただし、貸すことには思っている以上に手間とリスクが伴います。
| 管理の手間とコスト
賃貸に出す場合、管理会社に委託するのが一般的ですが、管理費として賃料の5〜10%程度がかかります。また入居者が退去するたびに原状回復費用や次の入居者募集のためのリフォーム費用が発生します。「家賃収入がそのまま入ってくる」わけではありません。
| 空室リスク
入居者が見つからない期間は収入がゼロになります。その間もマンションの管理費・修繕積立金・固定資産税は払い続ける必要があります。代々木エリアは賃貸需要が高いエリアですが、空室リスクがゼロというわけではありません。
| 住宅ローンが残っている場合は原則不可
住宅ローンは「自己居住用」という条件のもとで低金利が適用されています。そのため、住宅ローンが残っている物件を賃貸に出すことは原則として金融機関との契約違反になります。賃貸に出す場合は投資用ローンへの切り替えが必要になりますが、投資用ローンは住宅ローンより金利が高く、返済負担が増えることがほとんどです。ただし会社都合の転勤など、やむを得ない事情がある場合は金融機関に相談してみてください。柔軟に対応してもらえるケースもあります。残債がある場合は、まず金融機関への確認が第一歩です。
| 入居者がいても売却はできるが、価格は下がる
入居者がいる状態での売却(オーナーチェンジ)は可能です。ただし購入者が自分で住むことができないため、投資家向けの売却になります。利回りで価格が決まるため、通常の売買価格より安くなるのが一般的です。「入居者がいるから売れない」ではなく、「入居者がいると安くなる」と理解しておく必要があります。
売る vs 貸す 比較表
| 項目 | 売る | 貸す |
|---|---|---|
| まとまった資金 | ◎ すぐに得られる | ✗ 得られない |
| 継続的な収入 | ✗ なし | ◎ 賃料収入あり |
| 管理の手間 | ◎ なし | △ 委託しても発生 |
| 住宅ローン残債 | ◎ 売却で完済可能 | ✗ 原則不可 |
| 将来また住む | ✗ 不可 | ◎ 定期借家なら可 |
| 売却価格 | ◎ 通常売買価格 | △ オーナーチェンジは安くなる |
| 空室リスク | ◎ なし | △ あり |
売った方がいいケース
| 買い替えを考えている
次の物件を購入するための資金が必要な場合は、売却が基本です。売却代金を頭金に充てることで、次の住宅ローンの条件も整いやすくなります。
| 住宅ローンの残債がある
住宅ローンが残っている物件を賃貸に出すことは原則不可です。残債がある場合は、売却代金で完済するのが最もシンプルな解決策です。
| 管理が面倒・遠方に住んでいる
賃貸管理は委託すれば手間は減りますが、それでも対応が必要な場面は出てきます。遠方に住んでいる・管理に手をかけたくないという場合は、売却してスッキリさせる方が精神的にも楽なケースが多いです。
貸した方がいいケース
| 将来また住む予定がある
転勤などで一時的に住めなくなる場合、将来戻る予定があれば賃貸に出す選択肢は合理的です。ただしその場合も「定期借家契約」で期間を定めて貸すことをおすすめします。普通借家契約だと入居者を退去させることが難しくなります。
| 資産として長期保有したい
今すぐ現金化する必要がなく、長期的に資産として持ち続けたいという明確な方針がある場合は、賃貸運用という選択肢もあります。ただしその場合も、収支計画をしっかり立てた上で判断することが重要です。
代々木エリアで「貸す」の注意点
代々木エリアは賃貸需要が高く、空室リスクは比較的低いエリアです。ただし売却相場も高水準で推移しているため、「今売れば高く売れる」という状況が続いています。
賃料収入で得られる利回りと、今売却した場合に得られる売却益を比較したとき、売却の方が有利になるケースも少なくありません。「とりあえず貸しておこう」という判断は、高値で売れるタイミングを逃すリスクがあります。
また賃貸に出した後でやっぱり売りたくなった場合、入居者がいる状態ではオーナーチェンジとしての売却になり、通常より安くなります。退去を待ってから売るか、安くなることを承知でオーナーチェンジで売るかという選択になります。
現場からひとこと
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よくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローンが残っていても賃貸に出せますか?
A. 原則不可です。住宅ローンは自己居住用の低金利ローンのため、賃貸に出す場合は投資用ローンへの切り替えが必要になります。ただし会社都合の転勤などやむを得ない事情がある場合は、金融機関に相談することで柔軟に対応してもらえるケースもあります。
Q. 入居者がいる状態でも売却できますか?
A. できます。ただしオーナーチェンジとしての売却になるため投資家向けの売却になり、通常の売買価格より安くなるのが一般的です。利回りで価格が決まるため、通常売却と比べて価格が下がることを理解しておく必要があります。
Q. 将来また住む予定がある場合はどうすればいいですか?
A. 将来戻る予定がある場合は「定期借家契約」で期間を定めて貸すことをおすすめします。普通借家契約だと入居者の退去が難しくなるため、戻りたいときに戻れないリスクがあります。
Q. 代々木エリアの賃貸需要は高いですか?
A. 高いです。ただし売却相場も高水準で推移しているため、賃料収入の利回りと売却益を比較した上で判断することが重要です。「とりあえず貸す」という判断が高値売却のタイミングを逃すリスクになることもあります。
Q. 査定だけでも相談できますか?
A. もちろんです。「売るか貸すか迷っている」という段階でのご相談も大歓迎です。今の売却相場と賃料収入を比較した上で、最適な判断をご提案します。